2010年12月18日土曜日

2760「Larry King&Johnny Carson~Series:ゆくりなく思い出す~」


木村太郎がなんの説明もないまま、フジ「スーパーニュース」を
3週間休むと聞いたとき、びっくりした。
これまで2週間はあったが、3週間というのはなかったからだ。
先走って、“病気”…それも、自分の経験と照らし合わせてみると
“前立腺がん”の可能性があると書いた。
どうも、単に“契約に沿った休暇”らしい。こっぱずかしい。


昔、メジャーの中継などで、よくアメリカに行っていたころ深夜の
トーク番組「トゥナイト・ショー」が大評判で、司会のジョニー・
カーソンの人気は大統領をもしのぐ勢いだった。
日本のテレビで“アメリカの大橋巨泉”と紹介していたことがあり、
「失礼な話だ」と思った。まあ、ほかにいようがないが。
英語が覚束ないまま、早口でジョークを連発している彼のトークを
よく見たものだった。内容をよく理解できなくても、会場の爆笑を
効いているだけで気分が高揚するからだ。

一度だけ、会場と一緒に吹きだしたことがあった。
テーブルの上に置かれた“ロープ”を示して、「分かるかい?
レオン・スピンクスのデンタル・フロスさ」
…スピンクスは“すきっ齒”のヘビー級チャンピオンだったし、
フロスはアメリカ人が愛用する歯の間の汚れを掃除する糸だ。
説明していたんじゃ、面白さが半減するが。

カーソンが降板したあとを継いだのがジェイ・レノだ。


“晩年”のカーソンの契約内容を新聞で読んだ時、仰天した。
人気が上昇するにつれて、ギャラのアップはもとより、休みが
増えていく。
1960年代に番組がはじまったころは、毎晩登場していたはずだが、
しだいに、“週に1回”は代役を立てるようになり、それはやがて
“週2”になった。

季節ごとの休暇はもっと凄くて、3週間、4週間というまとまった
バケーションを年に数回とっていた。
本来なら、年に250回近く出演するはずなのだが、最後のころは
半分前後だったのではないだろうか。
それでも契約したい…局側にそう思わせたのだから大したものだ。


CNN草創期から人気だったインタビュー番組「ラリー・キング・
ライブ」が16日の放送で長い歴史に幕を下ろしたという。
たぶん、初対面でも“信用できる男”と思ってしまうに違いない
温かい風貌を持つキングは見事なインタビュアーだ。
誰をゲストに迎えても同じ態度で接していたように思う。
よどみなく質問を繰り出して相手の本音を引き出していた。
メジャーのプレーオフ・シーズンをスカパーのお試し期間で
楽しんだあと、“本契約”をしようかと考えたのは、この番組が
あったからだ。結局、申し込まなかったが。

あと番組のホストにはイギリス人のテレビタレントが起用される
というが、誰がやってもプレッシャーは大きい。

英語に“big shoes to fill in”という表現がある。
偉そうに聞こえたら失礼、若いころからスポーツ記事をたくさん
読んだから知っているにすぎない。
(監督や4番の)前任者のあとを継ぐのは大変だ…という意味だ。
“荷が重い”も悪くないが、履こうとする靴が大きすぎる…は
意味が深い気がする。

ちなみに、同じように長い休暇を取っても、木村太郎とジョニー・
カーソンでは、両者の立場は相当違うようだ。
どう違うかはあえて書かないが。

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